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表3−2 データ通信の手段

 

4. 情報表示とその問題点

データ通信速度と通信媒体を考慮すると、現状では動画像の伝送は対象外であろう。したがって、簡単な静止図形(デジタル情報)と文字情報が対象となる。陸上から伝送された情報を直に電子海図表示装置に入力する方法と、一度パソコンで受けてから間接的に入力する方法がある。いずれにせよ、外部のデジタル情報の受信まで考慮した電子海図表示装置は未だ無いと考えるので、装置の設計変更(ソフトウエアはもちろん場合によりハードウエアも)が必要である。設計変更を行うか否かは「そのような装置が船にとってなにになるのか」の問題である。船舶運用についての総合的な費用対効果の検討の結果、採否が決まるであろう。

現在市販されている電子海図表示装置で、外部機器からデーターを受信するにはRS−232C相当のシリアルポート(NEA0183/IEC1162−1)注1を使用することになる。大多数の船舶は、低速のビット・シリアルポートを使用した船内通信を使用する事になろう。パソコン経由のデータ転送を考えると、船内全域の通信を念頭におき、IBSを視野に入れだLANによるTCP/IP注2通信が理想的である。これらは、海運業関連業界の将来の動きに左右されるので、今後の動向を見極める必要がある。

 

注1: NMEA;Natinal Marine Electronic Association(USA)

 IEC;International Electro technical Committee

注2: TCP/IP;Transport Control Protocol/Internet Protocol

 

電子海図に重畳して、画面上に文字や図形を表示する場合、国際的に合意されたものでないと局地的な利用にとどまり、その結果一部の船舶しか使用しないシステムになる恐れがある。文字について考えると、国際海事用語は英語であるが、国内の小型船舶に配慮すると日本語の表示も必要である。これは、例えて言えばパソコンのOS(Operating System)と同じような事情である。図形についてもあらかじめ、国際的な合意を取りつけないと、

 

 

 

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